今年の新茶は、不況の影響もあって茶業界全体では盛り上がりに欠ける展開になりました。新茶が盛り上がらなかったのは、不況の影響もあるといわれていますが、茶業界全体が抱える構造的な問題もあると思います。
茶農家は、自分の作りやすいようにお茶を作ることに専念をしてきました。数年前までの好況の時は、お茶は作れば売れる作物でした。そのため、なるべく楽な製法でお茶を作ってきました。自分が作りやすいお茶が、そのまま消費者に好まれるお茶とは限りません。時代によっても、お茶の趣向が変わってきます。
お茶の流通業者は、茶農家や茶農協からお茶を仕入れて、それをお茶専門店に分配するだけしかしてこなかったような気がします。お茶の付加価値を高めるという努力を怠って来たような気がします。
時代によって、人の好みは変わってきます。その好みに合わせてお茶を作って来なかった事が、お茶特にリーフ茶の衰退をさせて来たのかもしれません。また、お茶を取りまく付加価値や文化の情報発信を怠って来たのも原因かもしれません。お茶は単なる飲み物ではなく、お茶を飲むことで、癒やしや文化という付加価値を付けていきませんと、他の飲料に負けてしまうと思っています。
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