どのようにしたら静岡茶ブランドを高める事が出来るかという事は,すごく難しい事だと思います。静岡県には、静岡茶業会議所・静岡県茶商工業協同組合などの茶業界の組合があります。それぞれに精力的に静岡茶ブランドを高める努力をしていると思いますが、あまり効果的ではありません。船頭多くして船山に上る、ではありませんが各組合がバラバラに行動をしていたのでは効果を発揮できません。そこで、最近では地域の農協や茶業協会がその地域にあったブランド化に取り組むようになりました。
当店があります牧之原台地を中心にした農協では、茶摘みをする5〜7日前から茶園に黒いビニール被覆をして直射日光をさえぎる事をしています。直射日光をさえぎる事で、新芽が柔らかくなって、まろやかなお茶を造る事が出来ます。ただ、日光をさえぎる事で芽伸びが遅くなるのと、被覆をする手間がかかってしまいます。でも、今までと同じ事をしていたのでは、進歩はありません。他の産地と違った事をする事で、差別化をはかり、地域の価値を上げる事が出来るわけです。お茶をブランド化するという事は、お茶の価値を上げる事だと思います。他にはない独特なお茶を造る事でブランド力は上がって行くと思います。また、今までと違った事をするという、向上心をおこさせる事で、お茶に対する意識が改まって、よりよいお茶造りが出来るのだと思います。今までのように漫然とお茶造りをしてきた事を改め、まずは新しい事をする、変化を恐れずに進んで変化する、という意識改革がこれからの静岡茶を復活させるカギになるのではないかと思っています。
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