この時期になりますと、桜の開花予想が気象庁から発表になります。3月初めの第1回の開花予想では、静岡は日本一早く3月13日に開花するという予報が出ました。しかし、その後この予報はデータが間違っていたため正しくは3月21日に開花すると訂正されました。今回の間違いは、気象のデータをコンピュータの数値だけで見ていて、実際の花の様子を見ていなかったことにあります。同じことが、お茶でも言えます。今では気象データが豊富に揃っていますので、それを元に研究機関ではお茶の生育状態を予想します。都会にある研究機関でコンピュータの画面だけで予想するのと、実際にお茶の新芽を見ながら予想するのとは違いがあります。
気象データには現れない、些細なことがお茶の生育には大きな要因になります。1年間大切に育ててきたお茶は、これから新芽が出そろうこれから1ヶ月で一番大切な季節になってきます。気象庁が発表する遅霜予報も参考になりますが、夕方茶園に行って、その時の空の状態や風の様子、肌で感じる気温の方が参考になることの方が多くあります。自然の中で育っているお茶を一番感じることが出来るのは、自然の中に身を置かないと判らないと思っています。
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